Zcashジーキャッシュ(ZEC)の匿名性の高さと期待について

多くのアルトコインは、仮想通貨の先駆者であるビットコインの欠点を改善した形で作られてきました。

Zcash/ジーキャッシュ(ZEC)も同じように、長年ビットコインで問題になってきた匿名性の問題を改善するために作られました。

この記事を読んだらわかること

  • どのように匿名性を実現したのか
  • ジーキャッシュの今後の可能性

概要

仮想通貨は、法定通貨とは異なり中央管理者がおらず、ブロックチェーンによって取引記録がネット上でチェックできるようになっています。

中央管理者がいないことには次のようなメリットもあります。

  • 国の情勢不安などに影響されない
  • 手数料が安くなる
  • 銀行に行く手間、処理する人の手間などをゼロにできる
  • 24時間取引が可能

メリットは確かに大きなものですが、誰でも取引の記録が見られる点は、匿名性の面で大きな問題でした。

匿名性の問題を改善するために発行されたのが、Zcash/ジーキャッシュ(ZEC)です。

アルトコインの中で、匿名性に優れていると言われているコインは、MoneroとDashという仮想通貨です。

Zcash/ジーキャッシュ(ZEC)は、この2種類と比較しても、最も匿名性の高い通貨として知られています。

さらにZcash/ジーキャッシュ(ZEC)では、ゼロ知識証明というプロトコルが使用され、高い匿名性を実現しています。

詳しい特徴を見てみましょう。

特徴

ビットコインでは、過去の取引の正確性を証明するために、取引に関係する双方のアドレスや取引内容の情報をブロックチェーンに記載して世界中に公開しています。

ここに匿名性がないため、ジーキャッシュではゼロ知識証明と技術を登載させています。

Zcash/ジーキャッシュ(ZEC)の最大の特徴であるゼロ知識証明とはどのような意味なのでしょうか。

自分だけが知っている秘密の知識について、内容を話さずに、自分が知っている事を証明することです。

例えば、U字になっている通路の曲がっている部分に門があるとします。

門を開けるためには秘密の言葉を門の前で言う必要があります。

自分が秘密の言葉を知っていることを証明する一番簡単な方法は、秘密の言葉をAさんに伝えることです。

しかしこれでは秘密を話したことになり、匿名性は守れません。

U字の上部分が1と2の隣り合っている出口だとして、Aさんは出口に立ち、あなたは曲がっている部分にある門の前に待機します。

Aさんはあなたが、1側の門の前にいるのか、2側の門の前にいるのかを知りません。

Aさんは1の出口に出てきて欲しいとリクエストを出し、あなたは1の出口から出ていきます。

但し、仮にあなたが1側出口の門の前にいたのであれば門を開ける必要はなく、門の秘密の鍵を知っている証明にはなりません。

ですからAさんは何度も何度も出口を指定し、あなたはその度に言われた出口から出てきます。

正しい出口から出てこられる確率は出口の指定の度に低くなっていき、30回繰り返すだけで約10億分の1の確率になります。

ここまでの数字になれば、相手に秘密の言葉を伝えなくても、確率的に自分が本当に秘密の言葉を知っている証明となります。

Zcash/ジーキャッシュ(ZEC)で行うゼロ知識証明は、まさにこの理論を採用しているものです。

取引の内容がどのようなものか、取引した双方のアドレスなどの個人情報に至る内容を一切公開せずに取引の正当性を証明できるため、匿名性が高いのです。

取引に関係した一切の情報は、暗号プロトコルによって保護されています。

暗号プロトコルはMITやイスラエル工科大学、テルアビブ大学の名立たる研究者によって作られたため、匿名性に関して高い評価を受けています。

メリット

何度も強調していますが、Zcash/ジーキャッシュ(ZEC)の最大のメリットは、高い匿名性です。

プライバシー保護と仮想通貨を両立させた技術は非常に素晴らしく、多くの著名人が絶賛しています。

例えば、米国家安全保障局NSAやCIAに所属していたEdward Snowden氏はツイッターの中で、ビットコインに取って替わる興味深い通貨であると述べています。

その他にはJ.P.モルガンもZcash/ジーキャッシュ(ZEC)の匿名性に関する技術に注目し、ゼロ知識証明の技術と提携しています。

匿名性の高さに関する好ましい情報は、Zcash/ジーキャッシュ(ZEC)の価格を大きく上昇させています。

しかしゼロ知識証明には、取引を記録する際に多くの作業が求められ、取引記録に少し時間がかかる弱点もありました。

2017年12月に発表されたロードマップの中で、Saplingというアップデートを行うことが伝えられました。

このSaplingアップデートこそが、取引記録つまりトランザクション生成を効率的にすることで計算量を減らすというものです。

つまりトランザクションの時間が減るということです。

匿名性が守られ、なおかつ取引記録にかかる時間が短縮されることは、大きなメリットと言えるでしょう。

ではZcash/ジーキャッシュ(ZEC)にはデメリットがないのでしょうか?

実は高い匿名性がデメリットになることもあります。

デメリット

Zcash/ジーキャッシュ(ZEC)での取引は、暗号プロトコルによって個人についての情報が分からないようになっています。

確かに匿名性を目的に作られたプラットフォームなので、高い匿名性は評価されるべきものです。

しかしこの匿名性は、マネーロンダリングや不正な金銭交渉に使われる可能性があると指摘されています。

実際、国内にある幾つかの取引所はZcash/ジーキャッシュ(ZEC)を扱っているため、金融庁からの認可が下りないと噂されているほどです。

Zcash/ジーキャッシュも、こうした流れは理解していますが、匿名性の重要性を認識しているゆえに方向性が変わることはありません。

犯罪に利用されるので匿名性に問題があるとするのは、飛行機がハイジャックされる可能性があるので飛行機を作らないという理論と同じ、がジーキャッシュの言い分です。

Saplingというアップデートによって、計算量が削減されることが発表されていますが、逆に言えばZcash/ジーキャッシュ(ZEC)はトランザクションのデータ量が多いということになります。

アップデートによって多少は改善するはずですが、それでもデータ量が多いため、取引量が増えると取引記録の処理が追いつかなくなるのではないかと心配されています。

ゼロ知識証明の技術はデータ量が増える原因ともなるので、やはり匿名性とデータ処理スピードの両立は難しいということです。

もう1つの懸念材料は、今後量子コンピュータの出現によってゼロ知識証明の暗号プロトコルが解読されてしまうのではないかという点です。

確かにこの懸念は事実ですが、そもそもこうした量子コンピュータが出てくれば、Zcash/ジーキャッシュ(ZEC)だけの問題ではありません。

オンライン上の銀行の決済システムなど、全ての安全性が脅かされることになります。

またゼロ知識証明という技術自体がまだ新しいものであり、Zcash/ジーキャッシュ(ZEC)の公開も最近の出来事です。

今後予想していなかったような脆弱性などの問題が起きる可能性は否定できません。

こうした問題がクローズアップされた時は、大きな価格下落は避けられないでしょう。

とはいえ、これもZcash/ジーキャッシュ(ZEC)だけの問題ではなく、どんな仮想通貨であっても同じデメリットです。

まとめ

Zcash/ジーキャッシュ(ZEC)は、取引記録がブロックチェーンに残すというビットコインの欠点を改善したアルトコインです。

使われている暗号プロトコルのゼロ知識証明は、技術的に非常に素晴らしいものであるため、非常に高い評価を受けています。

しかし同時に、高い匿名性が犯罪行為の温床になるのではないかと懸念されているのも事実です。

取引が始まったばかりの仮想通貨であるため、引き続き注視する必要はありますが、非常に期待されているアルトコインと言えるでしょう。

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